御挨拶
黒曜石に思いを寄せて
御取引先会社様の整ったオフィスで製品開発に取り組む時にでも、ふと、思いを馳せることがあります。かつて古代人が黒曜石の利便性を見出し、地中から原石を掘り出し、割り砕いてナイフを作ったこと、形の良い石を研磨して石斧を作ったこと、そのような「便利な道具」が古代でも流通して人類の文明を切り開いてきたことです。
今、私たちが製品化して世の中に価値を伝えようとするものは、そのように古代から数千年も数万年も続いてきた人類の営み、文化・文明を切り開こうとする努力と英知の延長線上にあります。生命の営みと文化・文明の開拓は、過去数千年続いてきたことと同様にこれから数千年も続くのでしょう。
CPUを「石」と呼ぶのは偶然なのか、必然なのか、不思議なことです。現代で情報技術が開花し、それは人類史での星の瞬き、煌めきのようでもあります。その火が消えないよう、また、その火が生命や文化、文明を焼いてしまわないことを願っています。そのことが火を起こす人にとっても、また、その火で暖を取る人にも確かな利益であるに違いありません。
品質保証は多くの人々の利益です。技術の一番良いところを切り出すことをしているのかもしれません。ウォーレン・バフェットは「愚か者でも経営できるビジネスに投資すべきだ」と言ったそうです。私は評価検証、テストと言われる仕事をを20年続けてきましたが、品質を実現することは思いのほか簡単ではないようです。
しかしながら、私はこれまで20年そうしてきたように、これからも人類が数千年間、続けてきた文明的な努力を継続することにしました。以前は思いもしませんでしたが、これも気づきのひとつであるのかもしれません。そして悠久の歴史と豊かな自然に恵まれた武蔵野から、弊社事業を技術発展の一助とする願いを社名に込めました。
今日、日本、そして世界の社会、経済、平和、文化、文明は大きな岐路に立っています。現下の悩める状況にあっても、本質を求め、愚直に前進し、価値を追求する努力を続けて参ります。
武蔵野品証株式会社
代表取締役
市川 平一郎